DAY1 11.27 Fri 12:30 - 13:10
SaaS is dead しとるやんけ!AIはユーザー課金を壊し始めた。情シスはAIで無駄を滅ぼせ。その先にあるのが、自社事業に最適化されたITだ。
株式会社クラウドネイティブ
登壇概要
AIの進化で、多くのSaaSを支えてきた「1人=1アカウント=1ライセンス」という前提が揺らぎ、AIコーディングやAIエージェントによって「作る」と「買う」の境界も変化しています。本セッションでは、シート課金一辺倒ではなく、従量課金、アクション課金、成果課金など複数の価格モデルが併存し始めている変化を起点に、情シスの仕事、KPI、ROIを再定義します。製品を起点にするのではなく、事業に必要な能力(Capability)と事業成果(Business Outcome)を起点に、データをどこに置き、何を買い、何を作り、どこまで自分たちで統制するのか。自社事業に最適なITを設計する考え方まで踏み込みます。
齊藤 愼仁
株式会社クラウドネイティブ 代表取締役社長
文部科学省 最高情報セキュリティアドバイザー
来場者へのメッセージ
「AIで人の仕事がなくなる」とかいう一般論は、もはやどうでも良いのです。今回考えたいのは、AIによってITの買い方・作り方・評価の仕方そのものが変わったとき、情シスは何を仕事にするのか、という話です。 これまで情シスは、課題に合うSaaSを探し、ROIを書いて稟議を通し、導入後は利用率を高めることに力を使ってきました。しかしAIコーディングやAIエージェント、API、MCPによって「作る」と「買う」の境界を再評価できる場面が増え、SaaS側でもシート課金だけではなく、Usage、Action、Outcomeなど複数の課金単位が併存し始めています。 見直したいのはコストだけではありません。私たちはSaaSに慣れすぎて、自社の重要なデータを外部サービスへ預けることまで当たり前にしてきました。その信頼を成立させるために、ベンダーは第三者監査や認証、セキュリティ運用に大きなコストをかけています。自社管理ならそれらが全部不要になるわけではありません。しかし、開発・運用・統制の一部をAIや自動化で効率化できるなら、「このデータは本当に外へ出す必要があるのか」「自分たちの管理下に置く価値はないのか」を改めて比較できます。 ならば情シスのKPIも、「何を導入したか」「何人が使ったか」だけでは足りません。事業に必要な能力(Capability)を定義し、SaaS・AI・Agent・API・内製を組み合わせ、どれだけ早く、安全に、合理的なコストで事業成果(Business Outcome)を生み出せたかを測る。ROIも消えるのではなく、導入前の予測だけでは足りなくなります。Cost per OutcomeやTime to Value、Trust、Optionalityまで含めて継続的に評価する必要があります。 SaaSを否定する話でも、何でも内製しろという話でもありません。不要なライセンス、重複したツール、人間がAPIの代わりにやっている仕事、SaaSに合わせるためだけの業務、そして「データは外部SaaSに預けるのが当然」という思い込み。そんな「仕方がない」をAIで見直し、自社事業に最適なITを設計する。 世の中からSaaSがなくなるのではありません。「SaaSを使うのが当たり前」という前提をやめ、組織ITを自社に最適な形へ再設計できる時代になってきたのです。 みたいな話をします。
登壇者プロフィール
データセンターや科学技術計算向けのサーバーハードウェア、GPUやコプロセッサを用いた高密度計算機などの企画・設計に参画後、国内最大級のAWSインテグレーターにて、情報システム、ネットワーク、セキュリティの3チームを統括し、情報セキュリティ、個人情報、PCI DSS管理責任者を兼務。2017年に、情報システムコンサルティングを主な事業とする株式会社クラウドネイティブを創業。ゼロトラスト・SaaSセキュリティを専門とするITコンサルティングを展開。経産省ゼロトラストタスクフォースメンバー。2022年7月より文科省の最高情報セキュリティアドバイザーに就任。著書『ITセキュリティ・ゼロトラスト概論』技術評論社。